〈vol.6〉信州たかやまワイナリー【鷹野 永一】さんインタビュー

第一線で活躍する先人たちは、どんなターニングポイントを迎えてきたのか。
どこのサイトにも掲載されていないであろう、ワイン造りを目指したきっかけとワイナリー設立までの経緯をご紹介します。
今回は、信州たかやまワイナリー 取締役執行役員・醸造責任者/鷹野 永一さんにお話をうかがいました。

 

 

信州たかやまワイナリーとは…?


シャトー・メルシャンやサントリーなど大手ワイナリーの高級ワインに使われる質の高いシャルドネを長年にわたって栽培してきた高山村。

「いつか自分たちのワインを造りたい」という強い想いを持った栽培家たちが主体となり2015年に設立されました。

代表を務めるのは「高山ワインぶどう研究会」会長の涌井一秋さん。
醸造責任者には大手ワインメーカーでの醸造経験のある鷹野永一さんを迎えています。

高山村の中核を担う信州たかやまワイナリーは、衛生環境のモニタリングの一環として、通常ワイナリーでは導入がめずらしいとされる捕虫機を設置。

ワイン産地としてのインフラ整備や、気象観測器の導入にも力を入れワインづくりという文化を将来の財産として後世に残すための取り組みも行う。

最先端技術と栽培家の情熱から生まれるワインは、雑味がなくきれいなつくりで日本の食文化に寄り添います。

 

 

2014年、高山村は当時ワイナリー設立という村をあげてのプロジェクトを進め醸造家を探していた。

同じ頃、シャトー・メルシャンで技術開発や品質管理等に携わり、ボルドー駐在という豊富なキャリアを持った鷹野さんもまた、独立を視野に入れ候補となる産地を色々と見てまわっていた。

高山村村長に呼ばれ、話を重ねる中…やがて、高山村での質の高いワイン造りとワイン産地形成を志すようになった鷹野さん。

ワイン振興のための特定任期付き職員として村役場に採用され、職務の傍ワイナリー設立に向け、これまで得た知識を最大限に生かしワイナリーの設計も手掛けました。

ブドウ畑は標高400~830メートルの位置に点在。高低差のある多様な気候で育った異なる個性のブドウをそれぞれ原酒にし、比率などを熟考しブレンドします。

これが信州たかやまワイナリーの最大の特徴でもあり、そこで働く方々にとって財産といえるもの。

高山村という地でワイン用ブドウ栽培に力を入れる栽培家、そして、高山村の多様な気候への理解を深めるための努力を怠らない醸造家が、バランスを重視しているという信州たかやまワイナリーのスタイルを支えています。