千曲川ワインバレー



東信から北信地域にかけて長さ約100kmにおよぶ千曲川沿いに広がり、長野市、高山村、須坂市、中野市、飯綱町、坂城町、小布施町、東御市、小諸市、上田市、青木村など多くの市町村が含まれるエリア。


【軌跡】
1942年 〈小布施ワイナリー〉が果実酒免許を取得
1973年 “食文化の国際交流”を理念に、60年代からワインづくりに乗り出した〈マンズワイン〉が、小諸ワイナリーを新設。「善光寺ぶどう」の仕込みをスタート

欧州系品種をはじめ、日本で古くから栽培されてきた品種など、さまざまなブドウの栽培技術向上とワイン醸造の熱が高まっていく。

2003年 画家・エッセイストでもある玉村豊男氏が東御市に〈ヴィラデストワイナリー〉を開業
2014年 ワインづくりの人材育成と技術支援を目的に〈日本ワイン農業研究所(JW-ARC)〉が株式会社化。玉村豊男氏が代表を務める
2015年 〈日本ワイン農業研究所(JW-ARC)〉により、新ワイナリー〈アルカンヴィーニュ〉が誕生。栽培醸造経営講座「千曲川ワインアカデミー」が5月に開講

ブドウ栽培やワイン醸造の技術のことから、ワイナリー経営のことまで、ワインづくりを総合的に学べる「千曲川ワインアカデミー」を皮切りに、個人経営の小規模ワイナリーが続々と新設され、個性豊かなワイナリーが切磋琢磨し合うエリアとなっています。
また、上田市にある業界最大手の〈メルシャン椀子ワイナリー〉が『ワールズ・ベスト・ヴィンヤード2020』で世界TOP30に認定。
北部の高山村には、人口わずか6500人の村に5つのワイナリーがあるなど注目を集めています。


【主な品種】
ピノ・ノワール、シャルドネといったブルゴーニュ品種、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨン・ブランなどボルドー系の品種、ピノ・グリ、リースリングなどアルザス系品種など、土地の気候や標高に応じたブドウが栽培されています。
生産者によっては、カベルネ・フラン、ガメイ、サンジョヴェーゼ、バルベーラなどの赤ワイン品種や、甲州、ゲヴェルツトラミネール、セミヨン、ヴィオニエ、シュナン・ブランのような白ワイン品種などのブドウが栽培され、生食用として知られる巨峰、ナガノパープルを使ったワインもつくられています。


【特徴や活動】
坂城町では、行政自治体がワイン用ブドウの農地を確保し、新規参入の受け入れを積極的におこなうほか、住民を対象にしたワインセミナーやイベントを開催。2019年初開催となった「坂城駅前葡萄酒祭」は、2500人を超える訪問者でにぎわいました。
東御市でも、市内ワイナリーが連携した「東御ワインフェスタ」が開催されるなど、NAGANO WINEを後世に伝える取り組みが行政と民間の連携によりさまざまにおこなわれています。

また、“ワインツーリズム”という新しい旅のカタチを提案する〈長野ワイントラベル〉が、ワインと旅行を組み合わせた新たな旅体験の企画に取り組んでいます。千曲川ワインバレーのワイナリーを巡って農作業が体験できたり、醸造施設の見学ができたり、NAGANO WINEと地元の食材を使った料理とのペアリングを堪能できる体験型の「NAGANO WINE旅」が企画されています。飲むだけではないワインの楽しみ方が提供され、長野県のワイン産業の活性化やワインマーケットの拡大が図られています。