日本アルプスワインバレー



松本市から安曇野市を中心に、大町市、池田町、山形村などに広がるエリア。なかでも松本市山辺(旧山野辺村)は、江戸時代からブドウが育てられ、長野県のブドウ栽培発祥の地といわれています。野菜や果樹の栽培の歴史が長く、ジュースや果実酒も多く生産されている県内有数の農産地。土地を知り尽くした熟練の農家がつくったブドウからワインを醸造するワイナリーが多いのも特徴のひとつ。


【軌跡】
2014年 野菜や果樹の農産地が広がる山形村が、ワイン特区を取得

2015年 山形村にある〈大池ワイナリー 〉が、代々受け継がれてきた畑に育つ「ヤマ・ソービニオン」でワイン醸造を試み、ファーストヴィンテージをリリース
同年   醸造経験を積み、実家の農地でブドウ栽培に取り組んできた若林政起さんが大町市に〈ノーザン・アルプスヴィンヤード〉を設立

2018年 県内のワイナリーで栽培・醸造に携わってきた塩瀬豪さんと斉藤翔さんのふたりの若手が安曇野市に〈ル・ミリュウ〉を設立
2019年 「千曲川ワインアカデミー」を卒業した中村智恵美さんが大町市に〈うさうさのプチファーム〉を設立。農家民宿とワイン用ブドウの栽培もおこなう

そのほかにも、他県で醸造を経験したのちに移住を果たし、北アルプス山麓でブドウ栽培を手がけるワイナリー 〈ヴァン・ドーマチ・フェルムサンロク〉、100年以上のブドウ栽培技術を生かして国内外の数々のワインコンクールなどで金賞を受賞する老舗ワイナリー〈大和葡萄酒株式会社〉、松本平産ブドウ100%でワインをつくる〈山辺ワイナリー 〉、安曇野のテロワールを後世に残そうと2008年頃から始動した〈安曇野ワイナリー〉など、アルプスとワインの風景に思いを寄せるワイナリーが数多くあります。


【主な品種】
ナイアガラ、コンコード、デラウェア、巨峰などの生食用ブドウにくわえて、近年ではシャルドネやメルローなどを筆頭にワイン用ブドウも多く、池田町の大手メーカーの畑を中心にソーヴィニョン・ブランやシラーなども栽培されています。


【特徴や活動】
〈長野ワイントラベル〉により、日本アルプスワインバレーの中核となる松本と安曇野のワイナリーと、工芸・アートを巡る「NAGANO WINEと工芸の旅」がさまざまに企画されています。そのほか、隣接する桔梗ヶ原ワインバレーと連携したイベントも数多く開催。
また、毎夏に開催される「セイジ・オザワ 松本フェスティバル(通称OMF)」では、サイトウ・キネン・オーケストラのオリジナルラベルワインがサービスされるなど、音楽とワインを融合する試みもなされ、芸術とワインの相乗効果も期待されています。
松本市には県内唯一の空港(信州まつもと空港)があることから、空からのアクセスも可能で、遠方から短時間でアクセスできるのも魅力。