〈vol.12〉Le Milieu【斎藤 翔】さんインタビュー

第一線で活躍する先人たちは、どんなターニングポイントを迎えてきたのか。
どこのサイトにも掲載されていないであろう、ワイン造りを目指したきっかけとワイナリー設立までの経緯をご紹介します。
今回は、Le Milieu -ルミリュウ- の、斎藤 翔さんにお話をうかがいました。

 

 

Le Milieuとは…?

有名ワイナリーでブドウの栽培・醸造を経験してきた塩瀬さんと斎藤さんが独立し、ともに30歳を迎えた2018年に設立を果たしたワイナリー。

設立当時、国内ワイン業界で最年少という若き二人は、これまでどのワイナリーも手掛けてこなかった“竜眼からオレンジワインをつくる”というかなり大胆な挑戦に打って出るなど、新しいワインづくりの道を切り拓いてきました。

上質で繊細、エレガントなワインをコンセプトに据えつつも、ワインをカジュアルに手に取ってもらえるような商品開発、特に若い世代に向けたワインの提案を行っています。

そんなLe Milieuさんの特徴のひとつは多品種少量生産。
読んで字の如くなのですが、シャルドネ/ナイアガラ/ソーヴィニヨン・ブラン/メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン/ネッビオーロ/シラー/ゲヴュルツトラミネール/ピノ・グリ/リースリング…その他にも、地元安曇野の特産品りんごを使ったシードルを醸造するなど、幅広いブドウ品種の醸造・栽培に挑戦しています。

つい最近も、さらなる品種拡大のため行ったクラウドファンディングが話題になりました。

「安曇野らしいワインづくりに研究心を持ってチャレンジし、地元安曇野に貢献できるようなワインをつくっていきたい」という彼らに期待を寄せる人は多いはず。

ここまでお読みいただき、「挑戦」とか「チャレンジ」というワードの多さに気付いた方もいたはず。とにかく、真摯に挑戦し続けているワイナリーさんなのです。



斎藤さんにお話を伺いました。

ーーー城戸ワイナリーのシャルドネを飲んだことがきっかけで、安曇野でワインを造りたいと思うようになったという斎藤さん。

塩瀬さんとだからこそできるワインはズバリ『はずさないワイン』。

ひとりの考えで造るワインが尖ったワインだとすれば、2人で話し合いながら造るワインはある程度安定したバランス重視のタイプになるといいます。

いま造っている/これから造るワインが日本らしい、さらには長野らしいと認識されること、加えて、リピートされるワイナリーを目指して、竜眼オレンジの醸し期間の修正や、ピノ・グリ/リースリングのスキンコンタクトの時間修正などといった細かな調整を繰り返しているんだとか。

斎藤さんがいつも刺激を受けているという、ワイン醸造に携わる同世代の仲間の中には、海外のニッチな醸造法を日本語に翻訳し実践しているという強者も…

「でも結局、小手先のテクニックに走るよりも、基本に立ち返ってよいブドウづくりをしようという結論に行きつくんですよね」と笑います。

斎藤さんにとってワインとは…「美味しくて楽しいもの。ひとりでも複数の人とでも、食事と合わせてもワインだけで飲んでも、ひとつの品種にこだわっても色んな品種を楽しんでも、国も生産者も沢山いて、知り尽くすことのできない一生楽しんでいられる飲み物ですね。」とお話くださいました。

皆様もそんなワインの沼にハマってみませんか??